国は2025年までのDXを推進
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略。日本でDXが進まなければ、
2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が生じるとされており、現在、国は企業にDX化の推進を働きかけている。
飲食業界では、食材の発注を紙からオンラインに移行することや、支払いをキャッシュレス決済に変更することなどがDXに当てはまる。
DX導入へ興味・関心があるのは42.8%
同調査では、「飲食店経営において、デジタルツールを導入することへの興味・関心」を調査。
「新型コロナウイルス感染拡大前から興味・関心を持っている」と
「新型コロナウイルス感染拡大がきっかけで興味・関心を持った」を合わせると42.8%で、半数には満たない結果となった。
国のDX推進下においては決して高い数値とは言えないだろう。
一方、なんらかのデジタルツールの導入率は55.6%に達した。
すでに導入されているデジタルツールとしては「キャッシュレス決済」(37.5%)、
「自社ホームページの制作/ローカルビジネス登録サービスの活用」(23.8%)、
「集客販促ツール」(21.2%)がトップ3で、DXの基盤となるシステムの導入は着実に進んでいることがわかった。
また、導入を検討しているデジタルツールがあると答えた経営者の割合は、38.6%。
ツールとしては「セルフオーダー、スマホオーダー」(12.4%)がトップで、
「経営管理システム」と「集客販促ツール」(ともに11.8%)が続いた。
すでに導入されているデジタルツールの上位3つとは異なるものが検討されており、
近い将来、飲食店で利用されるツールは多様化していくと考えられる。
DXの導入効果を80.6%が実感
「いずれかのデジタルツール導入で何らかの効果を感じているか」という質問には80.6%が「効果あり」と回答。
特に効果を実感していると挙がったのはハンディ(95.0%)と「人事労務管理」系ツール(94.9%)だった。
「人事労務管理」系のツールでは「シフト、勤怠管理システム」「人材、採用、給与など人材系の管理システム」「従業員の教育システム」の3カテゴリーすべてで効果実感は9割を超えた。
この結果はDXに関心を持っている経営者にはツール選びの参考になりそうだ。
DXには「売上UP効果」がある
DXによって得られている効果としては、「売上UP」(48.1%)、
「顧客満足度UP」(37.5%)、「経営数値管理の強化」(24.4%)が上位に入った。
デジタルツールはコスト削減や業務効率化の効果を狙うものだと思われがちだが、
売上や顧客満足度の向上への効果を実感している経営者も多いことがわかった。
飲食業界では年々DXの導入が進んでいるが、コロナ禍における対応策として、さらにその活用が加速している。
今後は経営に多面的な価値をもたらすツールとして存在感を増していきそうだ。